イスラム国による日本人人質事件で思ったこと

どうやら悲しい結果になってしまったようで残念だ. 今回の事件でいくつか思ったことを書いておく. いろいろ書きますが,尊い命であることに変わりなく,亡くなっているのだとしたらご冥福を祈るばかりです.

自己責任論

また「自己責任論」という言葉が盛んに使われた.

イラク日本人人質事件(Wikipedia)

僕は今回の事件に関しては,2人とも自己責任の結果,という意見を持っている. (もちろん日本がアメリカの同盟国であるという前提がある) 湯川氏については武器を持ってシリアに入国したことが理由のひとつだ. 後藤氏については湯川氏が拘束されたという事実を受け入れた上でを助けに行ったということが理由のひとつだ.自分が拘束されない保証はまるでない.むしろありすぎる.武器を持った人間(しかも敵国!)を助けに行くのだから.

様々な人達の心中は計り知れないが,ニュース見て一番辛そうだったのは湯川氏の父親だった.後藤氏の家族にただただ申し訳ないということを言っていた.

安部首相の中東訪問とその発言

安部首相は1月16日から中東を訪問していた. 後藤氏の拘束が表向き判明したのが1月20日イスラム国によるネット配信によるものだ.後藤氏は事実上は2014年11月1日頃に拘束されたようだ. 湯川氏が拘束されたのは2014年8月ということで解放交渉は全くできていなかったと予想できる.しかし後藤氏が拘束されたのは日付的に近すぎる.

さらに中東訪問中に次のようなスピーチを行った.

外務省HP

イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。

火に油を注いだのは明白で非難されるべきと思う.

どのような形で決着をつけるのか?

どのような形で決着をつけるのかまったく想像がつかない.仕返しなんて無意味だし,そもそも武力行使はできない. 集団的自衛権の議論は活発化するだろう.

テロとインターネット

インターネットは現在25歳とされている.人間の成長と同じように幼児期があったし,現在は25歳らしい青年期であると思う. 25歳の青年は過激な思想を持つこともあるだろう.人を傷つける十分な腕力もある.行動力もある. 今回の事件もインターネットは大きな役割を演じた. インターネットは無くならないし,もしかしたら死なないかもしれない.個人がいくらインターネットを嫌っていてもインターネットはすでに存在しているものだ.隣の家にインターネットが住んでいると思って欲しい.もしかしたらテロリストかもしれない. そういうことも考えながら良識を持ってインターネットを使うべきだ.

中東のバランス(追記:02/01 19:00)

今回の事件で中東のバランス関係について少し知識が増えたと思う.イスラム国(ISIL)をはじめ,シリア,ヨルダン,トルコは非常に細い糸の上でのバランスが保たれているようだ.他の中東諸国についても同様だろう.つまりはいつ中東諸国のバランスが崩れて原油の輸入ができなくなるかの問題があると思う. 兎にも角にもイスラム国の問題は早期に排除したいところだけどそうすると戦争になってしまうのだろうか.さらに,イスラム国の問題を排除して中東の問題が解決されるわけでもないので情勢の安定は当分望めないのだろうか. どこの国が,誰が舵を取るのか.

以上.