(Book)ヨハネスブルグの天使たち
こりゃあすごい作家を見つけたぞ.
読み始めに,「伊藤計劃っぽいタッチだな」と感じた.そのため比べて読んでしまい「伊藤計劃ほどではないかな」と思ってしまった.そんな思考を持ってしまったのは後々大後悔することになった.「ヨハネスブルグの天使たち」は,伊藤計劃と比べるものではなく,まったくのオリジナルであることに終盤でやっと気付く.
SFだけど,SFのコンテキストにしばられない人間ドラマがおもしろい.SF好きでなくてもおもしろく読めると思う.
それぞれ違う5つの物語の連作短編.ロボットは全編に出てはくるけど中心にはなく,先程も書いたとおり人間が主役だ.
過去に実際にあった事件・事象が物語(たとえば9・11)に組み込まれていて少々混乱した.そこは少し難しいかな.
星(5点満点):★★★★
先述のように個人的に間違った読み方をしてしまって星4つにとどめたけれど,限りなく星5つに近い星4つ.もう一度読んだらきっと星5つの評価になる気がする.
次は同じ著者の前作の「盤上の夜」を読む予定.囲碁とかの話らしいです.囲碁といえばGoogleのAIのAlphaGoの話が現在ホットなのでなんだかタイムリー.